便秘の定義
便秘とは一般的に「排便が順調に行われない状態」と言われています。
1 排便の回数の少ないもの
2 便の量自体の減少
3 水分の少ない硬い便
4 排便困難(うまく出せない)
5 残便感や腹部の張った感じ
これらの状態の組み合わせを「便秘」と呼び「自然な排便のメカニズムが乱れ、
便が長時間腸内にとどまり、不快に感じる状態」と位置づけられます。
「自然な排便のメカニズム」には個人差があります。
毎日、排便がないことで便秘だと思い込んでいる人も多いのですが、
2~3日に1度の排便であっても、規則的にスムーズに行われすっきりとした満足感があれば、
それは便秘とは言えません。
逆に毎日排便があっても1~5のような症状があれば便秘といえるでしょう。
便秘によって引き起こされる症状
(おなかの症状)
▶︎腹部膨満
いわゆる「おなかが張る」という状態です。
便秘の場合腸内で悪玉菌が繁殖して腐敗を起こし、ガスが発生しやすくなります。
また器質的な病気もあり注意が必要です。
▶︎腹痛
腸にたまった便やガスは便秘によって出口が塞がれ腹痛の原因になります。
つまった腸の口側の腸は便やガスを肛門側に送ろうと一生懸命動いて出そうとします。
その際に痛みが生じるのです。
腸のたるみの多い部分に起きやすくS状結腸(左下腹部)に痛みが起こる場合が多いです。
▶︎食欲不振
腸内に便が貯留し、腸全体の動きが悪くなると食欲が低下します。
▶︎吐き気
腸内に便が貯留し腸全体の動きが悪くなると、消化液は消化管に貯留しやすくなり吐き気の原因となります。
(肌の症状)
腸内に便が溜まると老廃物が次第に醗酵してきます。
さらにそこから毒素が発生しそれが肌に影響を与え、吹き出物・シミ・ニキビとなります。
また、新陳代謝の低下にもつながるため、血行が悪くなり肌にハリとツヤがなくなります。
(精神症状)
イライラや不眠の原因
▶︎頭痛・肩こり・めまい
腸内に発生した毒素は、自律神経の乱れを及ぼし頭痛・肩こり・めまいが起きやすくなります。
▶︎腰痛
便秘のため腹部が便によって圧迫されるようになると、血行不良となり腰痛の原因となります。
▶︎動脈硬化
便秘をしていると、胆汁として分泌されたコレステロールを大腸が吸収してしまい、
体内のコレステロールが多くなってしまいます。
結果的に血液中に溶けたコレステロールが血管内に蓄積されて動脈硬化の原因になります。
▶︎乳がん
便秘の人の方が乳房に癌が転じやすい異常細胞を有する確立が高いという調査結果が出ています。