整骨院の腰痛とは
デスクワークや立ち仕事、育児やスポーツなど、日常の何気ない動作が積み重なることで腰痛は慢性化しやすくなります。整骨院では、筋肉や関節のバランスを手技で整え、血流と可動域を改善して痛みの再発を防ぐことを目指します。湿布や一時的なマッサージで紛らわせるのではなく、原因を見極めて生活全体を見直すことが重要です。そのために、検査と説明、施術、セルフケア指導を一連の流れで行い、日常に戻っても体が崩れにくい状態をつくります。まずは現在の痛みのタイプと生活動作の癖を把握することから始めましょう。
主な原因とタイプ
筋疲労による張り、骨盤や背骨の歪み、同一姿勢の継続、体幹筋の弱さ、ストレス性の筋緊張などが代表的です。朝より夕方に痛む、前屈がつらい、反ると痛い、座り始めや立ち上がりで痛いなど、出方の違いが原因推定のヒントになります。
初回の評価と説明
姿勢観察、関節可動域、触診、動作テストで痛みの引き金を特定します。結果をわかりやすい言葉で共有し、施術の目的と期間、日常で避けたい動作を具体的に示すことで、納得感のある計画を立てます。
整骨院でできること
施術は「今の痛みを和らげること」と「崩れにくい使い方を身につけること」を両輪で進めます。強い刺激で一気に変えるより、体が受け入れやすい範囲で段階的に整える方が、仕事や家事を続けながら改善しやすく、再発予防にもつながります。そのため来院間隔は最初は短め、落ち着けば徐々に間隔をあけ、セルフケアに比重を移します。
手技・調整
硬くなった筋や筋膜を緩め、骨盤・胸郭・股関節の協調を回復させます。痛みの出る動作を確認しながら微調整することで、施術直後の変化と持続性を高めます。
運動療法
腹圧を高める呼吸、股関節ヒンジの練習、ハムストリングと臀筋の活性化など、日常動作に直結するエクササイズを処方します。回数よりも「正しい感覚」が最優先です。
生活動作の見直し
座面の高さ調整、モニター位置、こまめな立ち上がり、荷物の持ち上げ方の工夫など、痛みを繰り返す癖を断ち切る環境づくりを行います。
自宅でできる腰痛セルフケア
施術効果を長持ちさせるには、短時間でも毎日の積み重ねが大切です。朝と夜に数分のルーティンを設け、週単位で負荷を調整すると無理なく継続できます。痛みが強い日は量より質を優先し、動かして楽になる範囲で行いましょう。気象や睡眠不足でも痛みはぶれますが、焦らず波をならす意識が回復を早めます。
呼吸とリセット
鼻から吸ってゆっくり吐き、みぞおちを柔らかく保つ練習をします。腹圧が入ると腰の反り過ぎが抑えられ、立ち座りが軽くなります。
股関節ヒンジの練習
お尻を後ろへ引く意識で前屈し、背中は長く保ちます。床から物を取る、洗面、掃除など日常の前屈動作を腰ではなく股関節で行う感覚を身につけます。
こまめなマイクロブレイク
30〜60分ごとに立ち上がり、胸を開き、軽く歩くだけでも血流は改善します。アラームやタスク切り替えを合図に習慣化しましょう。
通院の目安と受診のタイミング
軽度の慢性腰痛なら最初の2〜3週は週1〜2回、その後は経過に合わせて間隔を延ばすのが一般的です。しびれや排尿障害、発熱を伴う痛み、転倒後の強い痛みなどは医療機関の検査を優先し、整骨院では併用しながら機能回復を図ります。無理を重ねる前に早めの相談が、結果的に通院期間の短縮につながります。